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八王子市の交通事故件数を調査
八王子市はもともと事故件数が多いことで有名な街でした。しかし、2011~2015年の間に678件もの交通事故が減っています。また、2016年度からは本格的に交通事故撲滅を進める「八王子市交通安全計画」が施行されました。
交通事故件数の移り変わりや多いといわれる事故の傾向、交通安全計画の詳細などをわかりやすくまとめているので、八王子市での暮らしを検討中の方は参考にしてみてください。
八王子市の交通事故データを調査
八王子市の過去の交通事故データを参考に、事故の傾向を確認していきましょう。
八王子市の交通事故件数の推移(2011~2015年)
事故件数 | 前年比 | |
---|---|---|
2011年 | 2,338 | - |
2012年 | 2,132 | 206件減 |
2013年 | 1,890 | 242件減 |
2014年 | 1,719 | 171件減 |
2015年 | 1,660 | 59件減 |
参考:八王子市役所「第10次八王子市交通安全計画の概要」より
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/life/001/007/001/p018297_d/fil/keikakugaiyousyo.pdf【PDF】
2011年以降、八王子市の交通事故件数は大幅に減少しています。以前は都内交通事故統計のトップになったこともあり、「交通事故が多い街」として知られていましたが、この数年で確かな変化を起こしているようです。
交通事故が最も多かった2002年時(4,496件)と比べると、2015年の事故発生数は半分以下(2,836件減)となっています。
2014~2015年は前年度よりも停滞しましたが、2016年より5年スパンの「交通安全計画」が実施されたので今後も事故件数の減少が期待できるでしょう。
2017年の交通人身事故発生状況
区分 | 発生件数 | 負傷者 | 死者(年間平均) |
---|---|---|---|
世田谷区 | 2,092件 | 2,431名 | 7名 |
八王子市 | 1,729件 | 2,033名 | 3名 |
足立区 | 1,714件 | 1,919名 | 10名 |
江戸川区 | 1,395件 | 1,577名 | 12名 |
大田区 | 1,348件 | 1.506名 | 3名 |
練馬区 | 1,337件 | 1,544名 | 4名 |
港区 | 1,261件 | 1,464名 | 5名 |
杉並区 | 1,184件 | 1,371名 | 7名 |
板橋区 | 1,100件 | 1,235名 | 9名 |
江東区 | 1,089件 | 1,291名 | 6名 |
参考:警視庁「区市町村別交通人身事故発生状況(平成29年中)」
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/jiko5.files/kusichoson29.pdf【PDF】
東京都内で人身事故件数が多い区域の事故発生件数、負傷者数、死者数を調査したところ、八王子市の事故発生件数は2位。他エリアに比べてまだまだ多いことがわかりました。
しかし年間死者数を見るとTOP10の中でも圧倒的に少ないことがわかります。
八王子の事故件数を大きく占める高齢者の割合(2011~2015年)
高齢者 | 事故総件数に対する割合 | |
---|---|---|
2011年 | 658件 | 28.1% |
2012年 | 587件 | 27.5% |
2013年 | 545件 | 28.8% |
2014年 | 532件 | 30.9% |
2015年 | 576件 | 34.7% |
参考:八王子市役所「第10次八王子市交通安全計画の概要」より
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/life/001/007/001/p018297_d/fil/keikakugaiyousyo.pdf【PDF】
また、事故の詳細を調査したところ、八王子市の交通事故の3割以上を占めているのは高齢者だと判明しました。つまり八王子市の交通事故の多さは高齢化によるものとも考えられます。事故の内容は、歩行中または自転車によるものが多いようです。交通事故死者のうち、44%が高齢者というデータも報告されていました。
2015の事故件数1,660件のうち、若い世代によって起こった事故は1,084件。死者や重症者が出た事故のうち、乗用車による事故は約1割です。あとは高齢者の歩行マナーや二輪車の運転マナーの強化次第。都内の交通事故発生率TOP10から脱するのも時間の問題でしょう。
区市町村別自転車関与事故件数(2017年中)
自転車関与事故件数 | 前年比 | |
---|---|---|
世田谷区 | 775件 | 94件増 |
足立区 | 663件 | 57件増 |
江戸川区 | 577件 | 118件増 |
大田区 | 494件 | 35件増 |
練馬区 | 486件 | 13件減 |
杉並区 | 425件 | 46件減 |
八王子市 | 408件 | 61件増 |
板橋区 | 400件 | 17件増 |
江東区 | 344件 | 13件減 |
港区 | 312件 | 46件増 |
※参考:警視庁「区市町村別 自転車関与事故 平成29年」
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/bicycle.files/006_29.pdf【PDF】
都内で年々増加している自転車関与事故についても調査しました。八王子市は自転車事故防止の施策も打ち出しているので、事故件数の順位を少しずつ落としているようです。2017年度の八王子市の自転車関与事故件数は408件、都内区市町村の中で7番目となっています。
八王子市が施行している「第10次八王子市交通安全計画」について
交通事故件数を減らし、市民の安全を確保するために建てられたのが交通安全計画です。交通安全計画の最終目標は、2020年までに交通事故死亡者を年間6人以下、死傷者数を年間1,500人以下となっています。
計画は2016~2020年の5年間で実施される予定。施策内容はこれまでに八王子市で発生している交通事故の傾向を踏まえたものとなっています。
【重要視されている八王子市の課題】
- 高齢者の交通安全の確保(身体機能低下への対応)
- 自転車の安全利用の推進(自転車利用環境の整備と成人層への指導)
- 子どもの交通安全の確保(安全教育の強化とヘルメットの定着)
八王子市は上記3点を主軸に、問題解決に向けて様々な施策を実施しています。
- 高齢者の交通安全の確保
- 参加体験型の交通安全教室を新しく開設し、高齢者に合わせた交通安全指導を実施。車や二輪からの視認性を上げるために、高齢者には反射杖などの使用を促しています。また、ゾーン30(時速30km)の取り締まりも強化しているそうです。
- 自転車の安全利用の推進
- これまで実施していなかった自転車走行空間の整備を行うようになりました。また高校や大学など、自転車に乗る機会の多い世代を対象に交通安全教育や講習会、交通疑似体験などを取り入れています。
- 子どもの交通安全の確保
- 自転車に乗る子どもに安全運転を教えるべく、自転車安全運転免許試験を広めています。また、子どものやわらかな頭を守るために、自転車ヘルメットの購入補助制度を設けているそうです。以前から実施していた交通事故の疑似体験は継続して、交通事故の危険性を伝えています。