注文住宅を建てた人が陥りがちな失敗と対策
暮らしの情報コラム
注文住宅はこの先ずっと暮らす家だからこそ、後悔のない家づくりをしたいですよね。そこでぜひ参考にしたいのが、「すでに注文住宅を建てた人の声」。注文住宅を建てた人の声を見ていくと、意外と同じような後悔ポイントがあることがわかります。そして、今まさに間取りを作っている人の場合、自分が思い浮かべている間取りのデメリットに気づいていない可能性も。そこでこの記事では、注文住宅を建てた人が陥りがちな失敗とその対策についてご紹介していきます。
急いで建てたために料金も高く、使い勝手の悪い家に
例えば子どもが小学校に入学する時期に合わせて家を建てたい、と言ったように家づくりのリミットが決まっている場合に陥りやすいケースです。時間がないと焦るばかりに十分な打ち合わせができず、間取りに関しても十分な検討ができなかったために、使い勝手の悪い家になってしまう場合があります。
家は長年住むからこそ、建てるときにはしっかりと計画を立てることが大切。そのため十分な時間が必要と言えるでしょう。
特殊工法で建てた場合メンテナンスが難しい場合がある
家は長い間済むものですから、先々のメンテナンスについてもしっかりと考えておくことも必要です。例えば、在来工法やツーバイフォー工法を使って家を建てた場合、メンテナンスがしやすいというメリットがありますが、近年は特殊工法で家を建てるケースも増えてきています。
特殊工法の場合、万が一その工法を取り扱っている工務店が倒産したり廃業したりしてしまった場合、工法が特殊であるためにメンテナンスを簡単に頼めなくなるというデメリットがあります。そのため、特殊工法を勧められたときには、将来的なメンテナンスについても考えてから工法を選ぶことが必要です。
開放感を感じる大きな窓はデメリットもある
リビングに大きな窓を設置すると、非常に開放感もあり、太陽の光を多く取り込めるためメリットも多いと言えます。しかしその反面、断熱性を弱めてしまうといったデメリットもあります。
太陽の光を取り込むということは、それだけ部屋の温度も上がりますのでエアコンを強めにかける必要がありますし、冬は冷気を遮断できないため、暖房をつけっぱなしにする必要がある場合も。結果的に光熱費がかかってしまうことにもつながります。例えば採光のために大きな窓をつけたいのであれば、採光用の窓を設置すると解決できます。
また、大きな窓は「外からの視線が気になる」という可能性も。家を建てる前に、どれだけ人通りがあるのかをしっかりと確認しましょう。
部屋の広さばかり考えたため「壁」が少ない
家を建てる際に意外と盲点になるのが、「壁」の問題。普段はあまり意識しませんが、実は壁を活用する場面は多いものです。例えば写真を飾ったり、棚を取り付けたりするなど、何もない壁は実は便利に使える場合もあるのです。また、壁が少ない場合、設置できるコンセントも少ないという点で不便を感じることもあるでしょう。
間取りを考える際には「広い空間を」と考えがちなので、壁については意識が回らないケースが多いですが、少し意識するだけで壁を作れますので、間取りを決めるときに工務店と「自由に使える壁」を作ることを話し合ってみてはいかがでしょうか。
部屋の間取りはしっかり考えたが、収納が足りない
意外と見落としがちなのが、収納の問題です。多くの場合、暮らしていくうちに収納が足りなくなり、「もっと収納スペースを作ればよかった」と後悔するパターン。この失敗は、建てる時の荷物の量を想定して収納の量を考えがちだからと言えます。長年暮らす上では当然荷物も増えていきますし、家族が増える場合もあるでしょう。家を建てる時の荷物の量で考えると、多くの場合は収納が足りなくなってしまいます。
この失敗を防ぐためには、「多すぎるかな」と感じるくらいの収納スペースを作ること。ただし収納スペースばかり広くして生活するスペースが狭くなってしまっては元も子もありませんので、適度に荷物を減らしながら暮らすのも大切です。
騒音が気になる間取りにしてしまった
例えば寝室を道路側に設置してしまった、吹き抜けのリビングにしたらそれぞれの階から聞こえる音が響いて気になる、浴室を道路側に作ったので子どもがお風呂で騒ぐと外に聞こえてしまうなど、音にまつわる悩みも多く聞かれます。
このような失敗を防ぐためには、間取りを作る際に音の伝わり方を考えること。多くの場合、間取りにはこだわるものの、その間取りだとどのように音が伝わるのかまで考慮しないものです。図面を見て、家の外を含め音の発生源がどこにあるかを考えてみましょう。その近くに静かに過ごしたい部屋がないかチェックするだけで、音に関する後悔を減らすことができます。
坂が多い地域は「擁壁」に注意
多摩エリアは非常に緑が多く、その環境を気に入って家を建てたいと考える人も多いでしょう。しかし、多摩エリアには坂が多い地域も多く、土地を購入する際には「擁壁」について注意する必要があります。
擁壁とは、崖などが崩れるのを防ぐための土留めとして、コンクリートや石などを使用して作った「壁状の構造物」のことを指します。坂道が多いエリアということは、土地が面する道路と敷地に高低差が発生するために擁壁があるケースが多く見られます。
場合によっては、この擁壁をいったん壊して作り直してから家を建てる必要がありますが、この場合数百万円の費用が必要となってきます。
そのため坂が多い地域では、その擁壁を作り直さずに家を建てられるかどうかの確認が必要な場合がある、と頭に入れておきましょう。購入したい土地が決まったら、施工を依頼する工務店などにアドバイスをもらうのも良い方法です。
まとめ
本記事では、注文住宅を建てる際に注意したいポイントをご紹介してきました。理想の間取りを作ることに気を取られてしまい、その裏に潜むデメリットはなかなか考えられないものです。そのような時、注文住宅を建てた先輩の声は非常に参考になります。ここは思いつかなかった、というポイントもあるはずなので、さまざまな声を聞いてみることも大切と言えるでしょう。