和モダン
和風とモダンの丁度良いバランスが魅力的な和モダン住宅
和モダン住宅とは昔ながらの和風の住宅デザインと、現代的で住みやすい住宅を融合した、今の時代に沿った新しい住宅デザインです。障子や畳、格子などの和の材質を使用しているので落ち着いた雰囲気がありますし、現代に馴染んだフローリングやドアを採用しているので生活しやすい空間に設定されています。
和風の落ち着きと広々としたフローリングが融合!
石田工務店
所在地:東京都八王子市片倉町102番地の2
外観は純和風の落ち着いた雰囲気があるけれど、内装は思ったよりも現代的で木のぬくもりを感じることができそう!和風建築らしいほっと一息つける縁側もあるし、広々としたフローリングがどんな家具ともマッチしそうだね。梯子から上に続くロフト付きの部屋は秘密基地みたいで、子供もすごく喜びそうだよ。
作り付けの家具とダークな天井が演出するシンプルでシックな小上がり
諫早建設
こちらのおうちは、玄関やリビングに大きな作り付けの棚があって、家具を置かなくても収納はバッチリ!その分空間を広々スッキリ使えそう。小上がり部分の天井はダークな色合いで落ち着いた雰囲気。外観も同じ色の格子で囲まれていて、スタイリッシュながら和風の趣が光るデザインだよ。
広い土間は利便性もよく古き良き日本を感じさせる
シムラ
昔ながらの日本家屋のように、キッチンからリビングを取り巻くように広い土間が作られているんだよ。ペットのいるこのご家庭では、ワンちゃんも土間で快適に過ごせるし、夏はひんやり涼しく、冬は薪ストーブで温かく、とっても便利そう。黒く塗られた柱と梁、格子の扉やレトロな家具もベストマッチングだね!
和モダンとは
和モダンとは、「和」と「モダン」、つまり和風と現代風を組み合わせた住宅建築のこと。和風建築は、これまで何百年という時をかけて、日本の風土に合わせて進化してきました。しかしながら、戦後の経済成長期に入り、和風の魅力よりも効率性の高い住宅が好まれるようになり、徐々に和風建築は衰退。むしろ昨今では、洋風建築が一般的となってきました。
ところが近年、ふたたび和風建築が注目を集めています。湿度の高い日本の風土に合った建築様式、柔らかい木のぬくもり溢れる安心の空間、どこか懐かしい土間の風合い。従来からある和風建築は、和モダンとして新たなステージに進化しつつあります。
和モダンの主な特徴
和モダンは、従来からある和風建築にモダンな要素を取り入れたもの。ベースにある特徴は従来からの和風建築と同じですが、若干モダンなテイストを差し込んだところが和モダンの特徴です。
和モダン住宅によく見られる特徴を、具体的に見てみましょう。
現代風のシャープさを加味した外観
古い和風建築の場合は、どこか柔らかい外観の印象がありましたが、現代の和モダンの多くは、逆にシャープな外観が特徴的。和風建築独特の黒や濃い茶色のカラーに対し、形状の全体感を幾何学的にまとめる例がよく見られます。
ダイニングに大胆に設置した障子
ダイニングから外を望む大きな窓ガラスに対し、カーテンではなくて、大胆に障子を張る和モダンの例も見られます。障子は直線的なデザインでできているので、フローリングのダイニングにもよくマッチします。白くてやさしい採光も魅力的。
あえて梁を見せる設計
あえて天井や梁の木造部分を見せるように仕上げる和モダンも見られます。大きな木材が幾重にも重なり、そこには自然の躍動感さえ感じられます。梁を見せることで天井への空間の広がりも感じられることから、全体的に開放的な印象に。
洋とのミックスにもマッチ
全体的には洋風建築であるものの、一部に和モダンを取り入れている住宅は多くあります。その代表が、リビングに設置した小上がり畳スペース。家族団らんの場として、子供の遊び場として、来訪者の客間として、様々な用途に利用できます。
和モダンのメリット
和モダンの主なメリットを4つ見てみましょう。
日本古来の独特の風情がある
和モダンの何よりも大きなメリットは、その風情あふれるデザインです。このデザインに魅力を感じない人は、和モダンは合っていないかも知れません。縁側、床の間、書院、土間、瓦屋根など、和モダンには、洋風建築にはない魅力的なデザインにあふれています。
湿度調整の機能が高い
和風住宅に使用されている柱は、基本的に木材。木材には空気中の湿気を吸収したり、逆に排出したりする機能があるため、住宅内全体の湿度調整が自動的に行なわれます。多湿な日本には、特に大きなメリットとなるでしょう。
各スペースの使い勝手が良い
たとえば畳の部屋の場合、座卓を置けばダイニングになります。座卓をしまえば、寝室にもなります。土間は、ちょっとしたコミュニケーションのスペースとして、あるいは、屋内のバーベキュースペースとしてなど、様々な用途に利用できます。
間取りがフレキシブル
和室と和室をふすまで区切れば、ふすまの開閉だけで1部屋にも2部屋にもなります。来客などの必要に応じ、部屋の間取りを変えられるのは和風建築の大きな特徴です。子供が成長したときなども、リフォームの必要はないかも知れません。
和モダンのデメリット
魅力的な和モダンですが、デメリットがあることも事実。主なデメリットを4つ見てみましょう。
耐震性に不安がある
木造建築だからと言って地震に弱いわけではありません。過去に大地震を何度も経験しながら生き残っている、築数百年の和風建築もたくさんあります。しかしながら、洋風建築に比べると耐震性に不安があることも事実でしょう。
火災に弱い
建築素材の中心が木材である以上、少なくとも耐火構造のしっかりした洋風建築に比べ、火災の際の被害が大きく拡大してしまう恐れがあります。昨今では防火仕様の和モダンも多くありますが、RCなどに比べ耐火性が劣ることは否めません。
狭い土地には外観的に無理が生じることもある
和モダンは、比較的余裕のある土地に建ててこそ、そのダイナミックな外観が活かされます。狭い土地に無理やり和風建築を建てた場合、外観上の無理が感じられることもあるので、注意が必要です。
家族間のプライバシーを保ちにくい
ふすま一枚、障子一枚などで区切られた部屋が多くなれば、その分、家族間でのプライバシーを保ちにくくなることは事実。その結果、必然的に家族はリビングに集まる機会が多くなり、家族間のコミュニケーションが増える点はメリットにもなるでしょう。
和モダンも一つの選択肢に
和モダンの特徴やメリット、デメリットなどを見てみました。たとえ今までマンション住まいしか経験のない人であっても、日本人ならば、きっと和モダンの魅力を十分に理解できると思います。
洋風建築にも大きな魅力はありますが、最初から和の可能性を排除するのはもったいない話。注文住宅をお考えの方は、和洋それぞれの特徴をしっかりと比較し、選択肢の一つとして和モダンの可能性も考慮してみることをお勧めします。